平成23年度 福井県立嶺南東養護学校 学校評価
 
    項目  具体的取り組み        成果と課題        改善策・向上策
1 学習指導 ・自立活動の指導の目標を明確にして学習内容を設定する。
・教員間の連携を図る。
学部や全校で、自立活動学習会を行った。学部毎の学習会では、それぞれが行っている自立活動の実践をもとに話し合い、客観的視点を加えることができた。全校での学習会では、それぞれの学部の取り組みを理解し合うことができた。しかし、学部間の連携という点では、まだまだ課題が多い。個別の指導計画を見直し、児童・生徒の目標を、自立活動の時間の指導と学校生活全般での指導のどちらで具体化するかを、明確にした。これらにより、教員は学習内容の棲み分けと精選が行え、保護者は目標を達成し成長していく子どもの姿を見て取ることができたと考える。 引き続き自立活動学習会を行い、新任・転任者を含め、自立活動についての共通理解の徹底と専門性の向上を図っていく。今年度は、学部内での学習会を主に行ったが、来年度は、学部を越えた学習会のより良いあり方を検討していき、学部間の連携を図っていきたい。
2 生活指導 ・交通安全に対する幼児児童生徒や教職員、保護者の意識を高め、交通安全対策などの充実を図り安全な登下校に努める。 登下校時の安全指導については、目標達成率が94%と昨年を上回り、教職員の交通安全に対する意識が昨年より高まったといえる。また、危険だと感じたときに対策を先延ばしせず、早急に対応ができた割合も昨年より20%上昇しており、同じく、教職員の意識の高さを象徴している。保護者の満足度についても、96%と目標指数を達成しており、さらに、「子どもは安全に登下校ができた」と判断した割合が昨年より10%上昇していることは、上記した教職員の意識の高さ及び実践の成果の現れと判断できる。 生徒玄関前のロータリーが狭いという物理的制限があるため下校時にスクールバスと施設・保護者の送迎車が重なると、混雑して危険が増すという状況は依然として解消されておらず、今後も改善事項の中心となる。幼児児童生徒数の増加・障害の多様化が進むなか、教職員の意識向上が100%達成できても、この状況が解消されなければ、交通安全の充実がそれに追随することは不可能に近い。現況の状態で考えられる改善策としては、寄宿舎の前・事務室横の駐車場を施設・保護者用の駐車場として提供し、なおかつ、乗降・待機・歩行スペースに緑色を塗り安全地帯を確保し周知徹底を図る、ということになるであろう。
3 進路指導 ・幼児児童生徒の自己実現と進路先の決 定を目指し、体験学習や進路学習を計画 的に実現する。


・保護者および教職員に対する研修や進 路に関する情報の充実を図る。
具体的取組に対して、保護者・教職員ともにいずれも大幅に判断基準を上回った。教職員については取組指標・成果指標ともに85%で昨年度の70%台に比べて、目標を十分に達成した。
教職員については、取組指標63%・成果指標74%で、いずれも昨年度に続き目標値に達しなかった。進路に関する各種の研修が多くの教職員にとって興味をもって参加しやすかったか等の検討が必要である。また、情報提供の方法についても工夫が求められる。保護者については満足度指標89%で目標値は超えたが、子どもの進路を考え、より多くの情報を得たいと思っている保護者が多いと思われる。
教職員、保護者の回答結果に満足することなく、自己実現と進路先決定に向けて、今後も進路に関する取り組みを充実させていく。


進路指導は幼児児童生徒と関わる全教職員に求められることから、今年度、教職員を対象に実施した「進路に関する研修会」への参加がしやすいように工夫する。また、学部毎に進路研修の機会を設定して、教職員の進路に対する意識を高める。進路に関する情報源としては「進路の手引き」・「進路だより」等を発行しているが、今まで以上に活用されるような働きかけを強化し、内容の工夫を図る。
4  保健・安全管理 ・幼児児童生徒の食生活の指導および口腔内の衛生指導に取り組み、健康の増進を図る。






・避難訓練や防犯研修を充実させる。危機を早期に発見し、対策を講じることで事故を未然に防ぐ。
食生活の指導および口腔内の衛生指導については取組指標、成果指標、満足度指標において90%以上の目標を達成した。その理由として、日頃の歯磨き指導に加え、各学部での衛生指導、食生活に関する指導、掲示物等を通して具体的に指導にあたることができたことと共に保健便り、給食便り等における啓発が十分有効であったと考えられる。
避難訓練や防犯研修を通して、教職員が事故を未然に防ぐ意識をもって対応にあたることができたと考えられる。満足度指標については、目標指数を上回ってはいるが、保護者へ取り組みについて十分周知してもらったかという点については少し不足していると思われる。
教職員の食生活の指導および口腔内の衛生指導についての意識が高まっているので、それに関する専門的な知識を共有できるような方法を考えていきたい。また、より一人一人にあった指導を模索していきたい。




避難訓練や防犯研修については、毎年行っているが、形式だけの訓練や研修にならないように内容を常に考えていきたい。また、その内容についてもホームページ等でできるだけ詳しく伝えていきたい。
5 PTA活動 ・保護者同士および保護者と教職員が、PTA活動を通して意見交換できるように工夫する。 教職員のPTA活動に対しての理解においては、どの保護者が組織の役員として携わっているか、また、年間を通してどんな取り組みがなされているかなど、概ね周知されているようである。PTA行事への参画の面では消極的に考えている教職員の割合が高く、改善に向けての手だてが必要である。 保護者の本校PTA活動に対しての満足度において、学校との協力体制については概ね支持が得られているが、行事を含めた事業内容に対しての満足度については十分であるとは言えない結果となった。 恒例とされてきた行事でありながらも保護者のニーズの変化や年月の経過などにより、見直しが必要とされる事業があるのではないか、との声がこれまでもあがっていた。今年度、PTA役員で組織する運営会において、現状における課題の洗い出しやPTA活動の今後のあり方について、議論を重ねてきた。その中で、事業内容の精選を行うと同時に、部の目的を明確にした上でこれまであった5つの部会の解体・再編を行い、その案件が臨時総会で承認された。年度末に開催される新旧役員引継ぎ会で出される意見やPTA会長はじめ新役員の意向を踏まえながら、次年度、保護者・教職員間の協力関係や理解をより一層深めるべく充実した活動を推進していきたい。
6 研究・研修 ・グループ毎に、事例研究を通して授業実践・活動実践に取り組む。また、ICFの理念を教育実践に即して具体的に理解するために、他校・他学部の実践報告を聞く機会を設ける。 取組指標・成果指標とも、前年度の実績よりもわずかに数値を下げたが、目標指数を達成することができ、またA回答の割合に大幅な増加が確認された。ICFの理念を積極的に学び、実践に活用しようとする教職員の意識の高まりが窺える。しかし一方で、研修への参加が不十分な教職員や、実践に生かしきれていない教職員も、ごく少数ながら認められる。保護者の評価では、前年度よりも評価の観点の水準を引き上げたが、前年度実績を大幅に上回る回答が得られた。幼児児童生徒の実態を的確にとらえ、且つ生活の充実につながる専門的な支援・助言を行うことができていると言える。D回答の割合が0%になったことも特筆すべき成果である。
3年間の取り組みによって、ICFの理念に基づく実践が着実に浸透してきていると思われる。今後も研修会や学部研究会等において、先行事例から学ぶことや、事例研究・授業改善の取り組み等を通して、理解をさらに深め実践力を養っていきたい。保護者からは、専門的な知識に基づく適切な支援や助言が十分に受けられていないという回答が、わずかながら認められる。教職員の専門性向上のため、幼児児童生徒の多様なニーズに合った各種研修会を紹介し、参加を勧めていきたい。
7 教育相談 ・地域の幼保・小・中・高校の気がかりな子どもたちの担当者が適切な支援を行えるように家庭や各機関と連携を図りながら、相談活動を行う。
・学校見学会の実施、教育相談便り、HPの作成を通して、保護者を含む地域の人々が、本校の教育活動への理解を深める機会を増やす。
相談を実施しているのは教育相談部員だけなので、今年度の取組指標・成果指標については、相談部員のみが回答したが、目標は達成できた。相談先の先生や保護者、あるいは医療機関等と密に連絡を取り合い、より細やかな支援を心がけた結果、相手先のニーズにより対応できたと考える。満足度指標については、今年度は本校保護者と相談関係機関に対してアンケートを行ったが、結果は89%で、目標を達成できた。 本校保護者より「アンケートをして相談部に相談できることをはじめて知った」という感想があった。今後は、本校相談活動をより具体的に相談便りで伝えることや、年度初めにはPTA総会等で相談活動についてのPRを行うなど、本校の保護者への対応を丁寧に行いたい。外部の相談関係先には、相談活動以外に要望に応じて、教材の提供や検査の実施、研修会の開催をより積極的に行うなど、さらに充実させていきたい。
8 情報管理 ・幼児児童生徒が生き生きと生活する様子を地域に発信し、連携の輪を広げるとともに幼児児童生徒、保護者にとって有用な情報を収集、発信する等、ホームページの充実を図る。 教員の中で、ホームページを使って家庭や地域に対して本校の活動を発信していこうという意識が薄いため、取り組み指標のパーセンテージが高くなかった。ホームページを閲覧した保護者の満足度が高いということは、内容的には保護者のニーズに合っていると考えられるが、まだまだ閲覧者が少ないということはどうしても見たくなるような内容ではないということだと考えられる。 ホームページに載せる内容は情報管理部で作れるものではないので、それぞれが意識を持って関わってもらえるようにアナウンスしていく必要がある。また、内容については掲載できる内容に制限があるので難しい面もあるが、少しでも興味を持ってもらえるように改善していきたい。その上で、ホームページの更新作業ができる教員を増やすための研修等を行っていきたい。
9 寄宿舎 ・寄宿舎生が舎の生活や活動を自ら計画し、実行することができるよう、発達段階に応じた指導方法の改善に取り組む。 取組指標と成果指標ともに、80%を超え、満足度指標では90%を超えていたことから、今年度については、目標を達成できたものと考える。今後も、児童生徒が自ら目標をもって活動に参加できるようにするためにはどのような工夫が必要かを考えていきたい。
目標設定に関しては、児童生徒の意識をさらに高めていくために、それぞれの活動において、各自の目標を発表しあい、活動後の振り返りの際に、設定した目標が達成できたかを確認していくようにする。また、グループ活動だけではなく、日常生活においても自分たちが立てた目標を評価する機会を増やしていく必要があると考えている。さらに、児童生徒が、自分で決めて自分で評価していくプロセスの中で、指導員がそれぞれの児童生徒に対して身につけてほしい力をどのようにすりあわせていくかを考えていきたい。


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